<27>ブランド品で身を固めていた早貴被告 ドン・ファンとは背が釣り合わない
野崎幸助さんと初めて会った時の須藤早貴被告は、21歳の若い娘らしく、シャネルのバッグやグッチなどのブランド品で身を固めていた。10センチもあろうかと思うようなピンヒールを履いていたから、身長160センチのドン・ファンとは背が釣り合わなかった。
そこをなんとか工夫して、ドン・ファンの自宅前で写真を撮った。といってもドン・ファンをビールケースの上に立たせるワケにもいかないから、少し高い位置に立たせただけである。
この写真をドン・ファンにあげると、カラーコピーで拡大して社長室の外にマグネットで張り付けていた。これは外からガラス窓越しに見えるので、多くのマスコミがそれを撮って使っていることが、後に分かった。そうやって撮影した場合でも著作権は発生する。私が要求すれば払わざるを得ないのだ。
早貴被告は「紀州のドン・ファン」という本が出版されて人気になっていることを知らなかった。この2年前に起きた窃盗事件の被害者としてドン・ファンがワイドショーに出ていたことも知らなかった。
皆が家に入ると昼時で、マコやんは、白浜の老舗寿司屋で買ってきた寿司をリビングのテーブルの上に並べだした。白浜では有名な寿司屋で、私も食べたことがある。それほどおいしくないのに値段だけは超一流という店で、私はドン・ファンから誘われても「行きたくない」と断り続けた。ドン・ファンが食べ物屋を選ぶ時の基準で大きな要素は値段であり、高ければいいというアホな考え方に凝り固まっていた。