飯野矢住代誕生秘話<7>「姫」はミス・ユニバース効果で大繁盛も…
芸能活動と「姫」でのホステスという“華麗なる二重生活”で飯野矢住代は多忙な毎日を送っていた。「ミス・ユニバース日本代表」の肩書は大きく、モデルの仕事の他に映画やドラマの仕事も入るようになった。所属先のジャニーズ事務所も今さら清純派で売り出すつもりは毛頭なく、傑出した美貌と日本人離れしたスタイルを武器に女優として本格的に売り出そうと考えていた節がある。
事実「網走番外地シリーズ」のヒットで知られる石井輝男がメガホンを取った「やくざ刑罰史 私刑!」(東映)にキャスティングされ、東京12チャンネル(現・テレビ東京)の人気ドラマ「プレイガール」や日本テレビのドラマ「セブンティーン 17才」にも出演するなど引っ張りだことなっていた。並行して舞台の話も決まりつつあった。
当時のジャニーズ事務所は、芸能界の最大勢力“ナベプロ”こと渡辺プロダクションの系列に名を連ねていた。マネジメントにおいてもナベプロの影響下にあり、矢住代の露出も無関係ではなかった。
「姫」でのホステス仕事も順調だった。矢住代を目当てに大勢の顧客が連日「姫」の敷居をまたいだ。当たり前のことだが、ミス・ユニバース日本代表が横に付いてくれるクラブなど日本中探してもどこにもないのだから、注目を集めない方がおかしい。