著者のコラム一覧
井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

“失われ続けている世代”のことを障子の張り替え政権の後釜たちは分かっているのか

公開日: 更新日:

 やがては刑務所か精神病院から出される。その時、社会がどう迎えるかも問題だ。社会はカネ儲け最優先で失い続けたものを、彼ら世代に与えなかった「心の豊かさ」や大切なものをどこまで取り戻しているかだ。後釜候補どもはそんな未来より、目前の権力とカネとちゃちな名誉にしか興味がない。よくも政治家などと名乗れたもんだ。

 “失われた世代”の殺人事件が続発だ。琉球大学時代に後輩に呼び捨てにされて見下されてると思い、卒業後も付け回し、LINEをブロックされたごときで、後輩の顔に硫酸をかけた25歳の男も典型だ。受験地獄の果て、家と大学しか知らない閉じた世界で育ったようだ。初めから豊かさなど知らないまま卒業し、元から貧しいこの荒れ野に放り出されたら、周りに誰もいなかったのだ。のっぺらぼうで不憫な顔だった。

 山梨県の小屋に女子高生を殺して置いて帰った若い夫婦も「豊かさ」とは無縁だった。川崎市では、27歳、無職の兄が帰省していた24歳の妹の喉を切って殺してしまった。さまようしかない若者が出口の見えないうつろな人生を、自らシャットダウンしている。哀れで憂鬱な世界、誰か吹き飛ばしてくれ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」