初回は好発進も…清野菜名&坂口健太郎「ハンオシ」に漂う過去ドラマの“ごった煮”感
柊が長年片想いしている兄嫁役で倉科カナ(33)が登場した瞬間、今年1月期に同枠で放送された「オー! マイ・ボス! 恋は別冊で」で、倉科が主人公男性が長年片想いをしている幼馴染を演じていた時のことを思い起こさせた。いろんなところに既視感があり過ぎて、新鮮味のない作りになってしまっている。
なにより「偽装結婚から始まるラブコメ」という時点で、最初はギクシャクしているけれど、お互いに向き合う中で紆余曲折を経て恋愛に発展していくという流れは、今後の予定調和な展開がある程度予想できてしまう。
「逃げ恥」があれほど盛り上がったのは、そういう恋が始まる設定にこれまでにない目新しさと斬新さがあったわけだし、男女平等の実現や、夫婦別姓などの現代社会に切り込んだ「多様性の中の結婚」をいち早く描いた作品でもあったからだろう。
しかし、「ハンオシ」は年齢を契機に結婚しないという価値観を前提にし、祖母を安心させるために好きでもない人と結婚するという流れに思わず「一体いつの時代の話だよ」とツッコミを入れたくなるし、時代錯誤感に戸惑いを覚えてしまう。