著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<111>巡査部長は「全然です」と…早貴被告の新宿のマンションの捜索は収穫なし

公開日: 更新日:

 新宿区内にある早貴被告のマンションの家宅捜索は夕方になっても続き、取材するカメラマンにも疲労の色が見えるようになっていた。

「大丈夫だよ。そろそろ歌舞伎町のネオンがつくから出てくるだろう。和歌山県警の捜査員たちは密かに、おいしい事件だと思っているんじゃないかな。なにしろ新宿、六本木、そして札幌のススキノに大阪の北新地と、全国でも有数の繁華街が捜査対象になっているから行かなきゃならない」

「それを制覇するんですか?」

「制覇じゃなくて捜査だよ。まあ、単なる言葉の違いだけで、やることは同じか。早貴が遊んでいた新宿や札幌のホストクラブや六本木での大下さんの交友関係、そしてドン・ファンの愛人がいる大阪の北新地も捜査しなければならないから大変だよね。今日はどこ、明日はどこのキャバクラに行こうか? って考えるのもねえ。しかもだよ、いつまでに逮捕しなければならないという縛りがないからオレがずる賢い捜査員だったら軽く1、2年は捜査に没頭島倉千代子だ」

「それって大変ですか?ボクがぜひとも代わってあげたいですよ」

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