ネットフリックスという“黒船”は日本の政治を変えるかもしれない
総理が想定外の発言をしたために、保管されている公文書の内容と整合性が取れなくなり、慌てた中央官僚は部下に文書の改ざんを指示し、現場の担当者たちは良心の呵責(かしゃく)に苦しみながらも上司の命令に逆らえず、改ざんに手を染める。その後、理財局長が国会で証人喚問されると「中部財務局が独断でやった」と責任をなすりつけて逃げを打ち、吉岡秀隆さんが演じる善良な現場担当者は精神的に追い詰められていく……というストーリー。
現実に近畿財務局で公文書改ざんに関わり、亡くなった赤木さんが味わったであろう苦しみと重なる。妻役は寺島しのぶさんだ。
こういう作品を地上波のテレビで制作するのは不可能だろう。国の認可で放送事業を行うテレビ局にとって、お上に不都合な作品を作れば「免許を取り消す」と脅されかねないからだ。特にNHKは厳しいだろう。
また、先に主演俳優の予定を押さえてから企画を立てるという日本の伝統的ドラマ制作法は「メッセージありき」の欧米ドラマと真逆で、「新聞記者」のような企画は通りにくい。