ネットフリックスという“黒船”は日本の政治を変えるかもしれない
■多くの人の意識を揺るがす「黒船」
そこへネットフリックスが現れた。幕末・明治の動乱も、進駐軍に占領された太平洋戦争後も、日本の歴史の転換点にはいつも外からの刺激があった。口では「改革」を唱えながら、真の改革を成し遂げたことのない日本人を動かすのは、いつも外国からもたらされた荒波だった。
今回も同じだ。ネットフリックスという“黒船”が日本の放送業界やメディアを揺るがしている。これはやがて多くの人に「世の中の真実を知りたい」という意識の変化をもたらすかもしれない。政治家や官僚も簡単にウソをつけなくなる。「新聞記者」のヒットを見れば、その可能性は現実的だ。
日本アカデミー賞の投票もかつては組織票の影響か、大手映画会社の作品の受賞が多かったが、「新聞記者」の受賞で独立プロの作品にもスポットが当たることが増えた。米アカデミー賞も「パラサイト 半地下の家族」など英語圏以外で作られた作品が評価され、受賞するようになった。この1、2年で世の中の流れが確実に変わってきたのを実感している。