歌舞伎の“伝道者”海老蔵はどうなる? 古いしきたり打ち破るも客の入りは芳しくなく…
先日も自然環境をテーマにしたトークショーに出席。「地球環境を守る責任がある」と熱弁をふるう姿からは、身辺のゴタゴタなどはみじんも感じさせなかった。
「スキャンダルに動じない姿勢は歌舞伎界の伝統。謝るべきものは謝るが、後は逃げも隠れもせず反論もせず。堂々と構えている」(歌舞伎関係者)
同じ芸能界でも歌舞伎界は特別な世界。伝統ある舞台であり、終われば祇園など各座敷で「芸の肥やし」と粋に遊ぶ。取材陣の入れる余地のない聖地だった。
そんな古いしきたりを打ち破ったのが海老蔵だった。遊び方もしかり。歌舞伎にこだわらずテレビや映画に出演。2003年の大河「武蔵」にも主演。歌舞伎役者の神髄を見せ、歌舞伎を身近なものにする先駆者でもあった。大河で共演した米倉涼子との熱愛もあったが、それも海老蔵の魅力だった。
恋愛も仕事には一切影響なし。「海老蔵見たさ」に若い人も歌舞伎観劇に訪れた。海老蔵に刺激を受け、中村獅童、片岡愛之助らもテレビに進出。若者に歌舞伎の魅力を伝える伝道者の役割を果たした。「将来の歌舞伎界も安泰」と思われていたが、肝心な舞台は依然として敷居は高く、旧態依然のままだ。