さらば週刊朝日! 最終号まで買ってやるからな…半世紀愛読したからこそ厭味も言わせて
この国で最長の歴史を誇る総合週刊誌『週刊朝日』が5月末に休刊する。ネットの大波の前についに力尽きたといえば話はそこで終わる。週刊誌ジャーナリズムの〈終わりのはじまり〉という見方もあろう。だが昨年の創刊100周年キャンペーンもまだ記憶に新しいタイミングでの発表に、さまざまな困惑や憶測が飛び交うのも無理はない。
何しろ100年続いた週刊誌である。逸話には事欠かない。国民的作家の松本清張も、初めての小説は週刊朝日の懸賞「百万人の小説」入賞作品『西郷札』(1951年)だった。のちに清張は同誌を「作家としての私の生みの親」とまで言っている。
小説、エッセイ、対談と形式を問わず連載が強力なことでもよく知られ、司馬遼太郎『街道をゆく』、池波正太郎『真田太平記』、村上春樹『週刊村上朝日堂』、ナンシー関『小耳にはさもう』などがここから生まれた。海音寺潮五郎『天と地と』のように大河ドラマの原作になった例もあった。