類まれな不器用な芸人と類まれな器用な芸人が組んだモグライダーは奇跡のコンビ
そんな誰が見ても大ボケ役がふさわしい彼だが、当初は「ツッコミをやりたい」と主張していたという。結成から2年。芝は「できることと、できないことを探っていった結果、できないことの方が圧倒的に多かった。それならば、できないことを見せるほうが早い」と台本を用意せず、ぶっつけ本番、ネタ合わせをしないようにすることを決めた(テレビ朝日系「アンタウォッチマン!」22年6月6日)。その方が「その場の感情が乗ったセリフ」が生まれると。
そうして、ともしげが何かを説明したり、やることに芝がツッコむというスタイルが出来上がった。ともしげがその過程で間違えてしまうことを想定したネタだ。だから「ある程度言えるようになったら(ネタを)捨てる」のだという(同前)。
「ボケゼロ」が理想という芝は、それを実現するために「ともしげがどんな予測不能なミスをしても拾えるように、ともしげのことだけを考えてきた」(扶桑社「週刊SPA!」22年2月1日号)とまで言う。モグライダーは類いまれに不器用な芸人と、相方の特性を熟知した類いまれに器用な芸人が組んだ奇跡の2人なのだ。