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松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

恋リア「ラブ トランジット」がめっぽう面白い パートナー像のあり方の未来図を見る

公開日: 更新日:

 ネット番組の受信機となるスマホはSNSツールでもあるから、番組や出演者への感想や批判の発信も容易。それを受けて番組もSNSも過激化の度合いを増していく。20年にはフジテレビ+ネトフリ『テラスハウス』の出演者で苛烈な誹謗中傷を浴びた木村花さんが自死に至ったことで、恋リアの制作現場の実態が社会問題化したのは記憶に新しい。

■つながった理由と離れた理由は同じ

 以上、長くなるのを承知で前段を話したのには訳がある。ぼくはラブトラに、一般社会とりわけパートナー像のあり方の未来図を見ているのだ。

「元恋人の前で、新しい恋できますか?」と挑発的なコピーがつけられているように、参加者は男女交際経験者が前提であることに注目したい。童貞性と処女性をあらかじめ排除した恋リアとしては、35歳以上の男女が古民家で共同生活を送りながらパートナーを探す、ネトフリ『あいの里』(MCは田村淳ベッキー!)も話題だ。

 ラブトラで元恋人同士が長所を褒めあうシーンでは、誰もが「じゃあ何で別れた?」と疑問を抱くはず。だが見進めていくと、つながった理由と離れた理由は同じであることに気づく。

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