写真週刊誌が500万部も売れた時代 NHKも取り上げた“FF戦争”はどこがスゴかったのか?
私は、週刊現代時代にジャニー喜多川の「ロリコン疑惑」を報じて、婦人誌へ異動させられた経験から、芸能人をターゲットにするのはこの社の体質から、難しいのではないかと答えた記憶がある。
これは後から聞いたのだが、創刊前にライバルである新潮社の社長のプライベート写真まで撮っていたという。FOCUSとモメた時、この写真を出すぞと脅す材料になるからだというが、真偽のほどは分からない。 創刊前から両誌が火花を散らしていたことは間違いない。
私が危惧していた芸能スキャンダルは、創刊号70万部即完売で社内の雑音を押し潰し、あっという間に200万部を達成した。FOCUSや他社から出ている写真誌を合わせると500万部という「写真週刊誌の時代」が現出したのである。
FRIDAYは編集長の考えで、これまで編集経験のない営業、販売などの若手を多く集めた。彼らには前例にとらわれない突破力があった。
大物政治家がスキャンダル逃れのために病院に逃げ込むと、女性記者に看護師の格好をさせ、病室に入ってパチリ。ある時はタクシー運転手、ある時は宅配便の配達人、またある時は電信柱によじ登る電気工事人。有名作家の再婚相手の家を、隣の2階を借り切り望遠でパチリ。何でもありの取材手法に社内外から批判はあったが、大部数の前では無力だった。