NHK紅白“ジャニーズ一掃”で高まる解体的出直しへの期待 アイドルグループや演歌が復権か
ようやく、異常事態からの脱却か。NHKは大みそかの紅白歌合戦で、ジャニーズタレントについて「新規の出演依頼を当面行わない方針が解除されないとそういうことになる」(山名啓雄総局長)とし、ゼロとする姿勢を明らかにした。これによって「視聴率ワースト確定」といった見方もネットにはあるそうだが、業界関係者に向けると「V字回復」との予想、期待が大勢なのである。
「いわゆる『ジャニーズ枠』は昨年も実に6組も出場しています。そのため、ところてん式に見送られたり、悔し涙の歌手が多々いました。紅白では、ジャニーズが占有する『ジャニーズ部屋』を放送センター内に設けていたことも明らかになりました。当然批判されていて、さすがのNHK上層部も見直しを決めた。これらは紅白はもちろん、業界の浄化につながりますよ」
そう言うのは、ほかならぬNHK関係者だ。ジャニーズ一掃となれば、どうなるのか。
「まず、ジャニタレ以外の男性アイドルグループが日の目を見るのでは」と、某スポーツ紙音楽担当記者はこう言う。
「昨年も出場した7人組『BE:FIRST』に『JO1』、さらに『Da-iCE』などです。彼らは当然ですがナマ歌で歌い、ダンスの実力の高さで知られ、人気、実力ともにジャニーズを凌駕する勢いです。視聴率ワーストの根拠としている若年層へのアピールでも、むしろアップすると思いますよ」
隅に追いやられていた演歌勢も息を吹き返すか。
「たとえば市川由紀乃。初出場の2016年とその翌年以来、夢舞台から遠のいているのは、ジャニーズ枠で押し出されたともいえます。名実ともに女性演歌のトップの由紀乃を筆頭に、令和に活躍している歌手、実力派の面々にまた出場の機会が戻ってきたといえるかもしれませんね。紅白低迷の裏で、中高年層の支持を集める『年忘れにっぽんの歌』(テレビ東京系)のように、昨今の紅白が失っていた原点回帰のチャンスにすべきです」と言うのは、老舗レコード会社幹部だ。
紅白の選考基準について、前回2022年の第73回では「今年の活躍」「世論の支持」「番組企画にふさわしいか」の3点をNHKは挙げていた。それらを踏まえ、ことしの年末では目玉として、デビュー35周年を迎え、スタジアムツアーを成功させたB'zが最有力候補になるのではと写真誌「フラッシュ」は伝えた。