大ヒット映画「ゴジラ-1.0」を徹底分析 都民が被爆するのをアメリカ人はどう受け取る?
公開から3日間で興行収入10.4億円、すでに観客動員数も100万人を超える大ヒットになっている、山崎貴監督の「ゴジラ-1.0」。12月1日から北米での公開も始まるが、そのヒットの要因を、この間、山崎監督や主要キャスト全員に取材した立場から探ってみよう。
ヒットの第一の要因は「シン・ゴジラ」(2016年)から7年の空白期間を経て、人々の中にゴジラ映画に対する飢餓感があったことだ。観客動員数551万人、興行収入82.5億円の大ヒットを飛ばし、新たなゴジラ・ファン層をつくった「シン・ゴジラ」の、次の作品を多くの人が待望していた。作り手としてはこのヒット作の後を受けて、どんなゴジラ映画を作ればいいのかが悩みどころ。そのハードルの高さは山崎監督も感じていたそうだが、クリエーターの一人として逆に自分もゴジラ映画を作ってみたいという欲求が高まったとか。
そこで山崎監督が考えたのが、徹底した「シン・ゴジラ」と同じ路線にならないアプローチ。「シン・ゴジラ」が3.11を経た日本における、リアルな都市部の災害シミュレーション映画なら、「ゴジラ-1.0」は時代を現代に設定せず、日本が自衛隊などの防衛組織を持たない第2次世界大戦末期から数年後までを舞台にした。