コロッケさんの生きる指針は「あおいくま」…「『ま』の『負けるな』は自分に『負けるな』という戒め」
「不適切にもほどがある!」がウケているワケ
最近、今という時代の難しさをひしひしと感じます。とくに年下世代との付き合い方です。
例えば「おいしいから食べろよ」と言ったらパワハラです。飲みに誘って無理についてきたらパワハラです。だから「〇〇に行くけど」とは誘わないですよ。「どこに行くんですか」と聞いてきたら「〇〇に行ってるよ」としか言わないようにしています。「おいで」と言ったら「コロッケさんに誘われたから行かなきゃいけない」となってパワハラになる。
髪を切ったねと言ったらセクハラ。「いつからそう見てたんですか」なんて言われて。だから僕はイベントなんかでも女性とはあまり話をしないようにしています。「狙ってんの?」なんて言われるのも嫌だし。そういう悪知恵みたいな空気になることがとにかく多いんです。
でも、そんな、ある意味ぬるま湯のような雰囲気の時代は4、5年もするとグチャグチャになっていくと思います。人を叱らない、叱ったら文句を言う。それでは社会が成り立たないことを若い世代も気がつく。後輩に「そんな言い方をされる覚えはありません」なんて言われた瞬間に、「アッ」となると思う。ドラマの「不適切にもほどがある!」が受けているのはそういうことだと思います。
健康法を聞かれることもあります。でも、健康だと調べたり気をつけたりしないでしょ。不健康で、例えば膝にきて、どうしたんだろうと調べてみる。普段から階段の上り下りだけでも気にするようになります。だから僕は正直、不健康でいいと思っています。完璧じゃなくていい。
■自分の「餌」を探す
心がけていることは自分の「餌」を探すことです。餌は楽しみ。それがむしろ健康法です。
今は韓流ドラマとアクション映画にハマってます。それを一人で見るのが一番の楽しみです。誰かが横にいると、わからないことを聞かれたりするじゃないですか。それがイヤですね。一人で没頭したい。iPadにいつも30本くらい作品を入れていて、移動中とか夜中に見るようにしています。しかも、ドラマや映画といった自分が好きな餌を食べ過ぎない程度にする。それがもっとも長続きする健康法です。
そもそも食べ物とか健康に気をつけていたら今みたいに太っていませんからね。でも、太ってからメチャメチャ受けるようになったんです。郷ひろみさんの「2億4千万の瞳」を歌うじゃないですか。郷さんとは体形が真逆だから、見ている方がそれだけで突っ込んでくる。太ってからの方が受けて得しています。
お金については、家族もスタッフも暮らしていくために稼がなきゃいけない。でも、貯めるよりみんなで使ったり、好きなものを食べようと言っています。
一番大事なのはお客さまに喜んでいただくために衣装とかカツラ、音響照明セットなどにお金をかけることです。よくあるお笑いとかのステージではなく、普通のアーティストがそのままステージをやれるくらいの設備にして、大きなスクリーンを使っている。五木ひろしさんの「五木ロボット」なんて3階席の一番後ろからでもドアップで見ることができます。
これからやっていきたいことは小林幸子さんとやっている「幸せプロジェクト」です。農業、文化からあらゆる芸能の後押しができるフェスティバル、イベントをやっていきたい。自分が役に立てること、後輩たちもついてきて一緒にやれることを、未来のエンタメのためにやりたいと思っています。
(聞き手=峯田淳/日刊ゲンダイ)