新沼謙治さんと“なべ焼き”の思い出「都会のうどん屋で『鍋焼き』頼んだら違う料理が出てきて…」

公開日: 更新日:

手先が器用でウナギのさばきから裁縫まで、何でもできた母親

 母親は料理全般が上手でした。近所のスーパーに勤めて天ぷらを揚げていて、お客さんには「新沼さんの揚げた天ぷらをください」とおっしゃる方がいたほどで。

 畑を借りていたので、おじいさんと一緒にタマネギやらいろんな野菜を育ててました。僕もたまに手伝わされてね。だから野菜天ぷらは家でよく作ってくれました。

 母親は魚料理も上手。魚を釣ってきてはウナギだろうが全部さばきますからね。刺し身は手早く料理しますし。

 母親は赤崎町といって海のすぐ近くの生まれで、実家は漁業をやってましたから、魚の扱いには慣れていました。生牡蠣の殻をむくのもとんでもなく速かったです。

 手先が器用で、料理ではないですが、洋裁も得意。浴衣、寝間着、僕ら子どもの半ズボンを生地から作っちゃうんです。学生のワイシャツも。昔ながらの足で踏むミシンで何でも作りました。

 僕が還暦の時には手編みのベストをくれて。それを着て仕事場に行くと周りからは「いい服、着てるじゃないか」と言われ、「おふくろの手作りだよ」と教えると、みんな「へえー!」と驚いてました。

 昔は姉が着ていた服も僕が着られるようにリメークしたり。布団が傷んでも買わずに直しましたからね。今でいえばサステナブル。

 僕は子どもの頃、母親は全員が洋裁ができるものだと思っていましたけど、そうじゃないですものね。

 母親は器用だし、料理も洋裁も好きだったみたいです。とにかく何でもできる人でした。

 90歳で他界しましたけど、亡くなるまでいろんなものを作り続けましたよ。いい母親だったなあとしみじみと思います。

 僕は今68歳で、来年は歌手デビュー50周年。いろんな企画を考えていますが、記念のコンサートは東京と故郷の大船渡市でぜひやろうと計画してます。その時はぜひお越しください。

(聞き手=松野大介)

▽新沼謙治(にいぬま・けんじ) 1956年2月、岩手県出身。「スター誕生」から76年に「おもいで岬」で歌手デビュー。「嫁に来ないか」で日本レコード大賞新人賞。歌番組やコンサートで活躍。

■コンサート情報 6月11~13日「熱唱歌のステージ~名曲をあなたに~」(九州ソワード公演)、7月2日「四人衆コンサート~お客様の笑顔と拍手に支えられて~」(相模女子大学グリーンホール)。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    眞子さん極秘出産で小室圭さんついにパパに…秋篠宮ご夫妻に初孫誕生で注目される「第一子の性別」

  3. 3

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  4. 4

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  5. 5

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  1. 6

    芳根京子“1人勝ち”ムード…昭和新婚ラブコメ『めおと日和』大絶賛の裏に芸能界スキャンダル続きへのウンザリ感

  2. 7

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  3. 8

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  4. 9

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  5. 10

    小泉進次郎氏「コメ大臣」就任で露呈…妻・滝川クリステルの致命的な“同性ウケ”の悪さ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  2. 2

    小泉進次郎氏「コメ大臣」就任で露呈…妻・滝川クリステルの致命的な“同性ウケ”の悪さ

  3. 3

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  4. 4

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  5. 5

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  1. 6

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  2. 7

    関西の無名大学が快進撃! 10年で「定員390人→1400人超」と規模拡大のワケ

  3. 8

    相撲は横綱だけにあらず…次期大関はアラサー三役陣「霧・栄・若」か、若手有望株「青・桜」か?

  4. 9

    「進次郎構文」コメ担当大臣就任で早くも炸裂…農水省職員「君は改革派? 保守派?」と聞かれ困惑

  5. 10

    “虫の王国”夢洲の生態系を大阪万博が破壊した…蚊に似たユスリカ大量発生の理由