真田広之『SHOGUN 将軍』でエミー賞18冠 子役からの紆余曲折「世界のサナダ」までの軌跡
真田広之が主演、プロデューサーを務めた「SHOGUN 将軍」がエミー賞のドラマシリーズ部門で、史上最多の18部門で受賞した。徳川家康をモデルにした武将・吉井虎永を演じた真田も主演男優賞を受賞したが、彼は一日にして“世界のサナダ”になったわけではない。ここでは主に時代劇俳優としての、40年を超える彼の足跡を振り返ってみたい。
真田広之は子役を経て、「柳生一族の陰謀」(1978年)で本格的に映画に出演した。彼は73年に千葉真一が主宰するJAC(ジャパンアクションクラブ)に入団していて、その類いまれなる身体能力を駆使して若い忍者役を好演。「忍者武芸帖 百地三太夫」(80年)で早くも映画に主演し、以降は香港映画「龍の忍者」(82年)に主演して海外にも進出。テレビでも千葉主演の「影の軍団」シリーズ(81~85年)にレギュラー出演し、海外で放送されたこのシリーズはクエンティン・タランティーノも大ファンだった。
この時期、スピーディーかつアクロバチックなアクションによって、それまでの時代劇の常識を破る作品を生み出そうとしていた師匠・千葉真一の指導の下、アクション俳優として磨きをかけていった真田は、“すごいアクションをする若手スター”だったが、演技者としては表現に硬さが見られた。