元少年隊・錦織一清もジャニー喜多川を批判…それなのにNHK会長“欲望”優先の浅はかさ
創業者の姪・藤島ジュリー景子が関連会社からも退いたというが、新会社の株主構成は公表していない。彼女が株を持ち続けていれば利益を得られるから、「表札が変わっただけで、実態は何も変わっていない」(青山学院大・八田進二名誉教授=朝日新聞)のではないのか。とにかく、旧ジャニーズ事務所と同じで、「SMILE-UP.」には隠し事が多すぎる。
それでもNHKが旧ジャニタレの起用再開を明言したのは、紅白歌合戦の出場者を決めるギリギリの時期だったからだろう。過去最低だった昨年の雪辱を果たしたいというNHK上層部の浅はかな“欲望”が、事実を正しく見る目を狂わせたのである。
ジャニー喜多川の犯罪のすべてを洗い出し、さらなる被害者を救済し、ジャニーに媚びを売ってアイドルにのし上がった連中に真実を語らせるまで、この男が犯した罪を忘れてはいけない。
■Nスペを見習え!
しかし、上層部とは考えを異にし、現場で骨太のドキュメンタリーを地道につくっている人間たちもいる。10月20日の夜に放送されたNHKスペシャル「ジャニー喜多川 “アイドル帝国”の実像」がそれである。メディアも帝国づくりに加担したと鋭く迫っていた。
私もインタビューされたが、彼らのジャーナリストとしての「覚悟」がひしひしと伝わってきた。NHKが丸ごと腐りかけているのではない。 (文中敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)