「私はヘタとはゴルフしません」…周防郁雄氏の引退報道で“芸能界のドン”からのキツいひと言を思い出した
芸能プロの8割が彼の傘下だともいわれ、レコード大賞や紅白には「周防枠」があるといわれた。文春(2016年11月3日号)は、前年にレコ大グランプリをとったEXILEの弟分「三代目」が歌った「Unfair World」は、1億円で「芸能界のドン」から賞を買ったものだったと報じた。同誌は、バーニングからEXILEのリーダーHIROに対しての「請求書」を入手していた。
23年の紅白では「韓国勢が多すぎる」と周防が怒り、国内の演歌歌手を増やしたといわれる。
しかし、カネと力で芸能界に“君臨”してきたドンにも、ここ数年陰りが見えてきた。ジャニー喜多川や松本人志、中居正広の性加害スキャンダルが続発し、旧態然とした芸能界への批判も高まってきた。周防時代の終焉は、芸能界が延々引きずってきたいくつもの「闇」を一掃する好機にしなければならない。
私が周防に初めて会ったのはFRIDAY編集長の時だから、1990年代初めだったと記憶している。当時、ジャニーズのスキャンダルを掲載すると、なぜか「バーニング」の“番頭”から猛烈な抗議があり、編集現場は対応にへきえきしていた。私は周防に連絡を入れ、彼の行きつけの赤坂の小料理屋で会った。私からの申し入れを聞き、わかったと言った後は、終始穏やかにとりとめのない話をした。酒は飲まないが大変なグルメで、それ以後も何度か会い、路地にある絶品の中華屋などに連れて行ってもらった。東麻布の「富麗華」も彼に連れて行ってもらったと記憶しているのだが。