「いまだに目に見えない恐怖が…」渡邊渚を悩ませる“フラッシュバック”はいつまで続くのか
「2023年6月のある雨の日、私の心は殺された。」
その後の描写はこう続く。
「あの瞬間、恐怖で身体が動かなくなって、『助けて』が届かない絶望感と大好きな人たちの顔が頭に浮かんだ。どんどん自分の身体と心が乖離していって、幽体離脱のような感じだった。真っ暗で冷たい井戸に落とされたように、どれだけもがいても救われることはなくて、意識はあるのに死んでいく。何が起こっているのか、よくわからなかった。」
自らの体験を包み隠さず綴った同書は大ヒット。この春からはYouTube番組「モデルプレス×REAL VALUE インタビュー」のMCに就任するなど、復活を遂げつつある。
■記憶自体は消せない
しかし、そんな彼女を悩ませる「フラッシュバック」はいつまで続くのか。精神科クリニックで25年以上の臨床経験を持つある臨床心理士は「あくまで一般論ですが」とした上でこう話す。
「PTSDはトラウマ体験後、すぐ発症する『急性PTSD』と、3カ月〜6カ月で発症する『慢性PTSD』、6カ月以上過ぎてから発症する『遅発性PTSD』という分け方がありますが、何かのきっかけでフラッシュバックすることはよくあることです。その出来事に関連した気候、食べ物、人物、場所など、何でもきっかけになります」