レイプ被害、風俗勤務…今井メロが本音で語った“壮絶人生”
“夜の道”へは「自らの意志」
忌まわしい記憶を引きずったわけではない。だが、18歳で出場したトリノ五輪では予選落ちの大惨敗。1年後、失意のふちからはい上がろうと、自らの意志で“夜の蝶”になった。風俗の世界にも飛び込んだ。そのことが一部で報じられ、再び激しいバッシングにさらされたのは悔しかった。
「17歳まで厳しい父のもと、スカートを履くことや化粧など、女の子としての振る舞いが何一つ許されなかった。そんな生活から抜け出したくて、自分の意志でキレイに着飾ったり、女性らしく振る舞えるキャバクラ嬢やホステスとして夜の街で働きました。一時、お金のためにデリヘル嬢をやったことは若気の至りでしたが、それ以外はすべて自分がやりたかったことばかり。今までの人生に後悔はしていませんし、恥だとも思っていません」
今では自らヌードの仕事も積極的にこなす。4年前に出版した自叙伝ではレイプ体験なども赤裸々に記した。
「加害者の人が目にすれば、私が今どういう気持ちなのかがわかると思います。あの時のことを忘れてませんよ、って(笑い)。でも、過去を振り返ってばかりいたら何も変わらない。自分らしく、前を見て進んでいかないと。子供を産んでからは一人じゃないですしね」
その上で、今後の目標をこう話す。
「服飾関係の仕事やスノボのコーチなど、やりたいことはたくさんある。そうしたことを一つ一つしながら、自分が経験してきたことをいろいろな人に役立てられればいいと思っています。シングルマザーや私と同じような経験をした女性の方々から毎日、フェイスブックを通して連絡がきます。今後は、そうした人たちを少しでも励ますことができればいいですね」
▽いまい めろ 1987年10月生まれ。12歳で日本人最年少のプロスノーボーダーに認定。04-05年シーズンのW杯で総合優勝。06年にトリノ五輪女子ハーフパイプ代表として出場。