石垣市立図書館(沖縄県)琉球赤瓦の下に戦前の八重山地方の古文書アリ
「琉球赤瓦」は古くから沖縄の民家の屋根などに使われてきた赤色の粘土瓦だ。吸水性に優れ、急なスコールにも対応できる一方、含んだ水分を蒸発させやすい。その際、熱も逃がすため、室内を涼しくする効果もある。
そんな琉球赤瓦を約13万枚使用、1990年10月に開館したのが石垣市立図書館だ。92年には日本図書館協会建築賞優秀賞を受賞、日本最南端に位置する市立図書館でもある。
「琉球赤瓦は台風に強く、劣化しづらい。高温多湿の気候や風土に合った郷土色豊かなものを取り入れたようです。コンクリートの打ちっ放しの壁は中の鉄筋がサビで劣化して修繕が必要になったりしますが、屋根はしっかりしていますから。館内は豊富な窓に囲まれているため明るく、天井までが最大9メートルと非常に開放感があります」(管理係係長の宮良諒さん)
メインとなる一般書コーナーには、特色あるスペースも。中高生が年代に沿った本や資料を閲覧しながらおしゃべりもできる「青少年ラウンジ」や、石垣島、西表島、竹富島などの郷土資料をそろえた「八重山地域情報センター」がそれだ。