ソチで苦戦の日本…夏季との違いは「実業団主導」の機能不全
目標達成は厳しい。
橋本聖子日本選手団団長は、ソチ五輪でのメダル目標を「金5を含むメダル10個。長野五輪のメダル数を超えたい」と公言。スポーツマスコミも大会前までは便乗して、メダル、メダルと景気よく大騒ぎしていたが、今のところ金メダルは男子フィギュアスケートの羽生結弦(19)の1個だけ。メダル総数も全部で5個だ。
今後は、女子フィギュアの浅田真央(23)や複合ラージヒルの渡部暁斗(25)などにメダル獲得の可能性があるとはいえ「長野超え」は絶望的だ。
日本勢の苦戦は、競技団体がまともに機能していないことも理由のひとつだ。例えば、長野五輪金の清水宏保氏は16日付の朝日新聞でスピードスケート界の現状を「大きな実業団の派閥に分かれ、情報の共有すらなされない。選手を中心とするサポート体制が整っていない」と痛烈に批判。男子500メートルの惨敗については「敵を知る部分が欠けていた」と指摘した。実業団に属していない選手や関係者には、コーチ申請の知らせもなかったというからおかしな話だ。
スポーツライターの工藤健策氏は、「各競技団体や実業団のボス支配が問題」と言ってこう続ける。