抜擢したカメラマンたちは村西とおるの“サンドバッグ軍団”
ところが2年たっても水着モデルの撮影は入ってこなかった。
「師匠は戦場カメラマンだったんです(笑い)」
友人のお笑い芸人から「AVメーカーが助監督を探している」と聞きつけ、面接に行った。村西とおるが面接担当だった。
「名前は? そう、日比野君。ナイスだね。合格!」
3秒で内定。
翌日から九州ロケで、それ以来二度と自宅アパートに帰れず、会社で寝泊まりするようになった。
「辞めようと何百回も思いましたよ」
気のいい日比野は、自分が退社する前に、撮影や編集作業ができるようになるまで新人を育てようとした。ところが育てる前に新人のほうが先に脱走してしまい、いつまでたっても辞めるタイミングを逃していたのだ。
野田義治はそんな人のいい日比野正明をカメラマンに抜擢したのだ。日頃AVを撮っているから、セクシーシーンは撮れるだろうという単純な理由だった。