55歳が境界線 睡眠は「たっぷり」より「コンパクト」が心地いい
高齢になると、積極的に成長ホルモンを分泌させる必要がなくなって量も減る。その分、後半のコルチゾールが優位になり、起床が早くなってしまうのだ。
「男性の場合、55歳を境目にそうした睡眠の崩れが表れます。しかし、それを知らない人が多いので<昔みたいに眠れなくなった>と動揺し、快眠グッズを買い漁ったり、無理に寝ようとして悪循環に陥る。それまで睡眠に悩んだ経験がない人ほどそうした傾向が強く、焦れば焦るほど眠れなくなるし、睡眠の質も低下します」(菅原氏)
高齢になったら、若い頃のような睡眠は必要ない。まずは、そうした認識を持っておく。そのうえで、睡眠の量より質を高める対策を講じたい。
加齢とともに夜中に目が覚めて眠れなくなった人は、目覚めた時に時計を見てはいけない。
「脳は起床する3時間前から覚醒を促すコルチゾールを分泌し始めます。夜中に目覚めた時、時計を確認して<3時に起きてしまった><今日も3時だ…>といった行動を繰り返すと、脳には<3時に起床する>というプログラムが組まれ、それに合わせてコルチゾールの分泌を開始してしまうのです」(菅原氏)