世界中で警告続々 「糖質制限ダイエット」は本当に安全か
米国のハーバード大学は、「糖質制限食を続けると心筋梗塞や脳卒中の発症率が高まる」と、12年に英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」で発表している。スウェーデンの30~49歳の女性4万3396人を対象に食生活を調査し、約16年間、心筋梗塞や脳卒中などの発症を追跡したところ、「低炭水化物・高タンパク質」のグループは、そうでないグループに比べて発症リスクが最大1.6倍高まったという。
ハーバード大医学部系列の医療センター等による別の報告もある。動脈硬化症モデルマウスに12週間、同カロリーの「標準食」「脂肪の多い西洋食」「低炭水化物で高タンパク質」の3種類の食事を与えたところ、「低炭水化物」は、「標準食」と比べてアテローム性動脈硬化症が15・3%多く発生。また、低炭水化物食のマウスはダメージを受けた血管の修復能力に悪影響があることも分かった。
■脳梗塞や心筋梗塞のリスクも
東邦大学医療センター佐倉病院循環器科の東丸貴信教授は言う。
「アテローム性動脈硬化症は血管内壁にコレステロールなどが沈着して起こります。過度に炭水化物を減らしてタンパク質や脂質を多く摂取すると、動脈硬化巣が炎症などでもろくなる可能性があり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まっていくのです」