著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

信仰心ゆえ? 週1回以上礼拝する人は自殺リスクが5倍低い

公開日: 更新日:

 厚労省の人口動態統計によれば、年間に約2万5000人の日本人が自殺しています。宗教活動への参加が自殺リスクを低減させる可能性について、過去に複数の研究が報告されているようです。しかし、いずれも研究の方法論的な限界が指摘されており、その関連性について明確なことは分かっていませんでした。

 そんな中、米国医師会の精神科専門誌(2016年6月29日付)に、「キリスト教礼拝への積極的な参加と自殺リスクの関連」について検討した観察研究の論文が掲載されました。

 この研究は、米国の看護師を対象とした疫学調査のデータから8万9708人の女性(平均62歳)が対象となりました。キリスト教礼拝への参加頻度(週に1回、月に1~3回、月に1回以下、全く参加しない)と自殺リスクの関連を検討しています。なお、結果に影響を与えうる、年齢などの人口統計学的因子や生活習慣、病歴、抑うつ症状などで調整して解析しています。

 その結果、週に1回以上の礼拝への参加は、全く参加しない人に比べて5倍以上の自殺リスク低下が示されました。特にカトリックの人たちは、約20倍も自殺のリスクが低いという結果になっています。

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