理想は自然死 飲まず、食わず、悔いず 眠るように

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 いまわの際が近づいてくると、心臓の働きが弱まり、血圧が60以下に下がります。心臓から遠い順に血液が届かなくなり、手足が冷たくなり、肌の色が変わります。しかし、生きていくための最も原始的な脳幹の呼吸中枢は最後まで頑張ります。遂に麻痺して呼吸が乱れます。最期は下顎呼吸を行います。これは下顎がガクッと下がって普段とは違う筋肉を使った補助呼吸です。このときあえぐように見えるため、家族は「苦しいのではないか」と心配されますが、問題ありません。この時点では本人は苦しみを感じる状態ではないのです。

 そのまま息を引き取る人もいますが、突然「ハアーッ」と息を吐き出す動きを見せる方もいます。これは呼吸筋の最後の反射反応にすぎません。

 こうしたことは、親や近親者の死に立ち会っていれば分かることです。人の死を病院任せにして、学ばないから、「苦しそうだから、モルヒネを使ってください」といった発想になるのです。

 私は、いま勤めている特別養護老人ホームで200人以上をみとりましたが、モルヒネを使ったことはありません。皆、眠るようにして亡くなるので、使う必要がないからです。

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