「突然死なら苦しくない」は大間違い
病気やケガというものは大多数が痛かったり、苦しかったりするものです。「突然死」といっても、極めて健康な状態からいきなり発作が起こって亡くなるわけではなく、もともと何らかの基礎疾患があったうえで、突然の死を迎えるということです。当然、その人が抱えている基礎疾患なりの苦しみや痛みがあるものです。心臓であれば、普段から不整脈、動悸、胸痛といった症状があり、何らかの生活制限を受けているケースがほとんどでしょう。
そもそも、普段からピンピンしていて健康であればあるほど、最期はコロリとは逝けないものです。簡単にいえば、元気で丈夫な人ほど亡くなるときは手間がかかるものなのです。「ピンピン」という状態は、病気がない、もしくは病気があってもしっかりコントロールできているということです。こういう人は、健康寿命を謳歌できているわけですから、そうそう「コロリ」まではたどりつけません。
どんなにピンピンな人でも、コロリに至るまでの間には、必ず不健康になるゾーンがあります。年をとると、がん、心血管疾患、脳卒中という3大成人病、糖尿病などの生活習慣病が、そのゾーンに該当する場合が多いといえます。加齢とともにまずはそうしたゾーンに入り、次に何らかの症状が表れるというゾーンに進みます。さらに今度は治療がうまくいかない、もしくは病気がコントロールできずに手が付けられないゾーンに突入し、最終的には命を落とすというルートがほとんどなのです。