「突然死なら苦しくない」は大間違い
「ピンピンコロリ」という言葉があります。年をとっても元気にピンピンと活動して、最期はコロリと安らかに逝く――。そんな亡くなり方のことです。病気による苦しみや痛みを感じることもなく、周囲に介護の負担をかけることもない。世間では「理想の終焉」だと喧伝されています。
しかし、これは大きな間違いです。ピンピンコロリを狙って亡くなるなんてことは、ほとんど不可能といえます。
ピンピンコロリにいちばん近い亡くなり方は、致死性不整脈や心筋梗塞といった心臓疾患による突然死だという意見を多く目にします。たしかに、急に発作が起こってそれほど苦しまずに突然死を迎えるケースもありますが、それはあくまでも極めてまれな特殊例です。ほとんどの場合、ウッと発作がきてそのまま苦しまずに亡くなるなんてことはまずありません。
心臓疾患によって、苦しくも痛くもなく突然死するケースは、パチンコでいえば、開店直後に1回転させただけで確変を引き、そのまま閉店まで出続けるようなもの。これはほとんど奇跡に近いことで、そんな特殊例を狙って実現できるわけがないのです。