6年前にくも膜下出血 神足裕司さんは「書く」が存在理由

公開日: 更新日:

■「自分の筆で家族を養いたい」

 あれから丸6年です。食事もトイレもお風呂も介助が必要で、ソーシャルワーカーからも身内の医者からも、療養型の病院を勧められたこともありました。自宅を改装しても在宅介護は無理だろうと思われたのです。でも、妻、息子、娘がそれぞれに「パパを家に」と思ってくれていたようで、自宅に帰ることができました。もし療養型の病院に入っていたら今のボクはなかったでしょう。

 今のボクにとって「書くことは生きること」です。生きる意味であり、存在理由といっても過言ではありません。家族や周囲に迷惑をかけていますが、書くことがギリギリの生きている証し。自分の筆で家族を養いたいのです。

 病気になって人の優しさを実感しました。高齢者や障害者の不便や考えていることも少しわかりました。だから“今の自分でもまだ何かできることがあるはず”。せっかくこういう体になったのだから、こういう体でしかできない体験をたくさんしたいと思います。

 ちなみに、今日はこれからしゃぶしゃぶを食べにいきます(笑い)。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド