【総合感冒薬】処方薬はわずか9種類 抗生物質も含まれず
解熱鎮痛消炎剤との関連で、今回は総合感冒薬(風邪薬)の処方量を見ていくことにしましょう。医学的には上気道(鼻から喉まで)の、急性の炎症を「風邪症候群」と呼んでいます。さまざまなウイルスや細菌によって引き起こされますが、インフルエンザは風邪症候群には含めず、独立した感染症として扱われています。
風邪の8割以上はウイルス性。ウイルスに抗生物質は効果がありません。それに総合感冒薬には、抗ウイルス剤も抗生物質も入っていません。つまり、風邪を治す効果は全くないのです。しかし解熱鎮痛消炎剤を中心に、症状を緩和する成分が入っています。風邪自体は放っておいても数日中に治ります。それまでの不快感を少しでも軽くしようというのが総合感冒薬の役割であり、存在理由であるわけです。
■処方薬には必要最小限の薬剤しか入らず
とはいえ、ちょっとした風邪で医者に行く人は少ないですし、風邪薬なら近所のドラッグストアで気軽に買えます。それもあってか、医者が処方できる風邪薬は、<表>に載せた9種類に限られています。しかも処方量はわずかで、全部で約4億1600万錠に過ぎません。このうちPL配合顆粒(幼児用を含む)とペレックス配合顆粒(小児用を含む)が先発薬、その他がジェネリックです。しかし薬価にほとんど差はありません。