著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

美容クリーム代わりに処方薬が使われていることの問題点

公開日: 更新日:

「ヒルドイド」(ヘパリン類似物質)という処方薬が最近大きな話題になっています。保湿、角質化の防止などに用いられる外用薬(塗り薬)です。

 保湿剤としては尿素配合剤と比較して刺激性が少なく、血流量の増加作用(血行促進作用)もあることから、安全性・有効性に優れた製剤であることは確かです。アトピー性皮膚炎で多くの患者さんが使用されていますし、抗がん剤の副作用として知られる「手足症候群」の予防・治療薬としても用いられています。

 そんなヒルドイドが本来とは“別の用途”で脚光を浴びています。上記の効能・効果があることで、乾燥肌やシワ、加齢に伴う肌のトラブルに効く、いわゆる美肌効果があるとして注目されているのです。

 しかし、医療用医薬品を本来の使用目的と異なる目的で医療機関から処方してもらうことは大きな問題です。

 ヒルドイドは、化粧品メーカーの高級美容クリームより安価であるため、飛び付く人が続出しています。実際、ヒルドイドをお肌のケアに使うために医師に処方を依頼する人が増えていて、問題視されているのです。

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