著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

【睡眠剤・精神安定剤の処方量】上位100品目で年間35.7億錠

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■人気は脳細胞表面と結合し興奮を鎮めるBZD系

 処方量のトップ10までのクスリを〈表〉に載せました。1位はファイザーのソラナックス0・4ミリグラム錠、約2億2000万錠に達しています。僅差で2位はアステラスのマイスリー錠5ミリグラム、約2億1000万錠。しかし5位に10ミリグラム錠が入っており、合計すれば1位(約3億5000万錠)になります。

 催眠鎮静剤に分類されるクスリの多くは、「ベンゾジアゼピン(BZD)系」と呼ばれるものです。1位のソラナックス錠や3位のハルシオン錠も、このグループに属します。BZD系の薬剤は、脳細胞の表面にある特殊なタンパク質と結合して、興奮を鎮める作用があります。それによって脳全体の活動が収まり、不安や緊張から解放され、眠りに導かれるというわけです。

 実質1位のマイスリー錠は、非BZD系の代表格。こちらは主に不眠症の改善に使われています。飲むとすぐに効果が表れるので、医師からも患者からも支持を集めています。心療内科だけでなく、一般内科や産婦人科などでも、患者の症状に応じて処方されています。

【連載】全国の医師が処方した薬 ベスト10

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