【睡眠剤・精神安定剤の処方量】上位100品目で年間35.7億錠
■人気は脳細胞表面と結合し興奮を鎮めるBZD系
処方量のトップ10までのクスリを〈表〉に載せました。1位はファイザーのソラナックス0・4ミリグラム錠、約2億2000万錠に達しています。僅差で2位はアステラスのマイスリー錠5ミリグラム、約2億1000万錠。しかし5位に10ミリグラム錠が入っており、合計すれば1位(約3億5000万錠)になります。
催眠鎮静剤に分類されるクスリの多くは、「ベンゾジアゼピン(BZD)系」と呼ばれるものです。1位のソラナックス錠や3位のハルシオン錠も、このグループに属します。BZD系の薬剤は、脳細胞の表面にある特殊なタンパク質と結合して、興奮を鎮める作用があります。それによって脳全体の活動が収まり、不安や緊張から解放され、眠りに導かれるというわけです。
実質1位のマイスリー錠は、非BZD系の代表格。こちらは主に不眠症の改善に使われています。飲むとすぐに効果が表れるので、医師からも患者からも支持を集めています。心療内科だけでなく、一般内科や産婦人科などでも、患者の症状に応じて処方されています。