風邪だと思っていたら重大病 注意点を呼吸器専門医が解説
大谷医師のクリニックを訪れた70代の患者で、診察時はさまざまな検査から「喘息の悪化」と診断、吸入ステロイドを処方した。レントゲン検査でわずかな影が疑われ、CT検査をしたが、翌日その結果を見ると、軽い肺炎を起こしていた。患者さんに改めて来てもらい、肺炎と伝え抗菌剤を処方。ところが、「ネットで調べたら、漢方でなんとかできると思い、吸入ステロイドはまだ使っていません。抗菌剤も必要ですか?」と言う。
「喘息が悪化すれば、痰が増え菌が増殖するので、肺炎も悪化する。肺炎は死亡リスクの高い疾患です。慌てて患者さんに、喘息に漢方薬が良いとはガイドラインでは出ていないことを伝え、とにかく指導通りに薬を服用してもらうように言いました」
風邪だから、と甘く見ていれば、年代によっては命取りになる。
さらに高齢者で咳が続くようであれば、嚥下障害も考慮に入れなければならない。
「誤嚥性肺炎というと食物が原因と考えがちですが、実は唾液をうまく飲み込めないことが引き金になっているのです」
嚥下障害も肺炎につながる。もし咳の原因に嚥下障害があるなら、それを改善するための運動や生活習慣を身につけなければならない。
なお、咳の強さと重大病の有無は必ずしも一致しないという。