俳優・大杉漣さんの死を招いた急性心不全の意外な前兆
Q急性心不全について教えてください。俳優の大杉漣さんは腹痛を訴えたそうですが、腹痛が前兆になることはあるのでしょうか? よく腹痛を起こすので気になっています。肥満で喫煙者。健診でコレステロールが高いと指摘されましたが、その後の検査は受けていません。 (50代男性)
A 心不全は「病気」ではなく「病態」です。あらゆる心臓病が最終的にたどり着く終末像のひとつです。何らかの原因で心臓のポンプ機能が急激に低下。全身への血流が滞って肺にうっ血が起こり、呼吸困難などの症状が出ると、急性心不全(状態)と診断されます。
心不全の原因のうち、多いのが冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)です。狭心症の典型的な症状は、胸の圧迫感、胸痛、胸を締め付けられるような苦しさ、左上腕・奥歯の痛み、左肩の凝りなど。階段を駆け上がったり、速足で歩いた時や、食後、喫煙中によく見られます。就寝中に起こるものもあります。
症状は数分~15分以内で消えますが、頻繁に起こるなら循環器内科を受診すべき。中でもこれまでなかった症状であればすぐに病院へ。不安定狭心症といって、3人に1人が心筋梗塞を起こす状態といわれています。