胆管がん<3>治療の実績がある病院が「手術はできません」
3カ月に1回、CT検査を受け、腫瘍の様子を観察していたが、東京逓信病院からは「当病院では西口さんのケースは手術を勧めないし、ベストな選択かもわかりません」と言われていた。
■初年度の負担金は60万~70万円
諦めきれない西口さんはセカンドオピニオンを求め、病院から一切の検査資料を借りて「がん研究会有明病院」(東京・江東区)を訪ねた。期待したものの、回答はここでも「手術はできません」だった。
「名古屋大学医学部付属病院」にも連絡してみた。電話口で病状を訴えると、来院の要請どころかやはり「手術できない」と告げられた。
西口さんにとっては、胆管がんの進行状況について担当医師からの「落ち着いていますよ」という言葉だけが救いである。
現在は半年に1度入院し、胆管に挿入しているステントの掃除以外に、会社に通勤しながら抗がん剤治療を継続している。
西口さんが支払った治療費は、手術をした初年度は60万~70万円(3割負担)。その後の抗がん剤治療は1回1万円で月額3万円。入院治療のときは1週間で10万円ほどかかる。がんとの共生――。この治療はいつまで続くのだろうか。