大橋純子さん公表の食道がん 化学放射線療法なら通院でOK
しかし、仕事をすべてキャンセルして治療するのは、必ずしも賢明な選択とはいえません。がんと診断されて1年以内は自殺リスクが急増。そうでない人に比べて、24倍に上ります。孤立すると冷静な判断ができにくくなりますから、「がんでも仕事を辞めない、辞めさせない」がとても重要です。
厚労省研究班の調査によると、がんになると、サラリーマンの30%が依願退職。辞めた人のうち5人に2人は、治療が始まる前に辞表を出しているのです。告知のショックから「がんでは、仕事ができない」とあきらめてしまうのでしょう。あきらめが、自殺につながると考えられます。
負の連鎖を断ち切るには、仕事を続けながら周りに囲まれて生活するのが一番。仕事と治療の両立が大切なのですが、「がん対策に関する世論調査」によると、両立が難しい理由として、22%が「職場が休みを許すか分からない」を挙げています。
治療とはいえ、仕事を休んで職場に迷惑をかけてしまった……。そんな後ろめたさが、がん患者を辞職に駆り立てるのかもしれませんが、治療と仕事は両立できます。そのためには、治療法の選択が大きな意味を持ちます。特にカギを握るのが放射線です。