新薬も承認された白血病はどんな病気? 2つの注目治療とは
これらを「再発・難治性急性リンパ性白血病」といい、初回と同じ抗がん剤あるいは異なる抗がん剤を複数用いた化学療法が行われる。近年注目されているのが、分子標的薬を用いた治療だ。
「表面抗原タイプCD19とCD22を持つ急性リンパ性白血病は8割を超えているのですが、これらを標的としたのが分子標的薬です。従来の治療では、再発や難治性では完全寛解率が30~50%で、長期生存は10%未満。この結果を改善するために必要なのが、分子標的薬の導入です」(東京慈恵会医科大学付属第三病院腫瘍・血液内科・薄井紀子客員教授)
今回の新薬はCD22分子を標的とした国内初の分子標的薬(抗体抱合薬)になる。
もうひとつ注目されているのが、微小残存白血病(MRD)の除去。検査法の進歩で、これまでは確認できなかった白血病細胞も確認できるようになった。そのMRDは、最新の検査で調べると、分子標的薬の投与で早い段階から陰性になることが確認できる。
「再発・難治性急性リンパ性白血病では標準治療が確立されていません。CD22を標的にした治療は、MRDの除去率が高く、今後治療成績の向上が期待できます」(薄井客員教授)