睡眠時無呼吸症候群の記者 「CPAP療法」3カ月の経過を報告
CPAPを開始して1週間後、クリニックで本体のSDカードに記録されている睡眠データを確認すると、1時間当たり59回だった無呼吸が0回に改善していた。低呼吸もほぼ見られず、いびきもほとんどかいていなかった。その後、1カ月ごとの診察でも無呼吸は0回が続いている。
とはいえ、日中の眠気やボーッとする時間がなくなった……といった感じはとくにない。しかし、そのままCPAPを続けて2カ月ほどたった頃、思わぬ形で効果を実感した。
一度、マスクを装着しないまま寝てしまったときのこと。普段どおり起床する時間に目覚めてもひどい眠気が続いていて、ベッドから這い出るのに苦労した。洗顔や歯磨きをしてもスッキリせず、ずっと体がだるく、頭の奥に鈍痛も感じる。ひょっとしたら、CPAPを忘れたからじゃないか……と思い当たった。
「東京疲労・睡眠クリニック」院長の梶本修身氏は言う。
「いびきや無呼吸で低酸素呼吸状態になると、自律神経は心拍を速くして血圧を上げ、酸素供給量を維持しようとします。本来なら睡眠中に休息するはずの自律神経が酷使され、疲労が蓄積していく。そのため、眠っても疲れがとれない、日中も眠気が強くウトウトしてしまうといった症状が出るのです。CPAPで無呼吸が改善されると、目覚めたときの爽快感が違います。日中にボーッとすることもなくなる。普段は実感していなくても効果は表れています」