飛散量が少なくても危ない“凶悪化する花粉”対策のポイント
二酸化窒素や硝酸塩などの大気汚染が花粉と結びつくと、花粉の殻が傷つき、かつ、花粉が水に溶けやすくなる。
「すると空気中の水分が花粉の中に染み込み、花粉が膨張。やがて爆発(破裂)し、殻の中のCry j2が外に飛び出してしまいます」
一方、Cry j1は、乾燥によって花粉から剥離したり、空気中の水分で花粉から切り離されて、やはり空気中を漂う。
「花粉の飛散量が少なくても、それとは関係なく、微細なアレルゲンが空中に漂う。吸い込みやすく、花粉症の症状が出やすくなるのです」
■微小化で肺胞へ
大気汚染と結びついて花粉が爆発することは前項で触れた。
「すると、花粉成分は非常に小さくなります。通常、花粉は直径30マイクロメートルですが、私の計測では最小0.06マイクロメートルと、PM2.5(2.5マイクロメートル)よりも小さくなっていました」
王教授は、花粉成分の大きさを13段階に分けて、人体呼吸器系のどの部位に届くかを調べた。