6歳以降は治療が困難 幼児の弱視を早期発見できる検査機器
40歳以下の片目失明の原因の第1位は「弱視」だ。6歳までに発見されて治療すれば治りやすく、それ以降は困難だとされる。現在は少なからぬ弱視が見落とされている可能性があるという。そんな中、弱視の早期発見を可能にする検査機器が話題だという。眼科専門医で「清澤眼科医院」(東京・南砂)の清澤源弘院長に聞いた。
文科省発表の「平成30年度学校保健統計調査」によると、裸眼視力が1・0未満の子供の割合は幼稚園で26・68%、小学校で34・10%という。20年前の同じ調査では幼稚園25・8%、小学校26・3%で、裸眼視力1・0未満の子供の割合が大幅に増加していることがわかる。問題はその中に多くの弱視が含まれていると考えられることだ。
「弱視とは、どんな眼鏡やコンタクトレンズで矯正しても0・4以上の視力が出ない目のことを言います。具体的には遠視、近視、乱視が強いために起こる屈折異常弱視、左右の視線のズレによって起こる斜視弱視、何らかの理由で片目を閉じた時期があって起こる視覚遮断性弱視などがあります」
人間は生後1~2カ月でものの形や色がわかるようになり、4カ月ぐらいで動くものを追って目を動かせるようになる。3歳くらいで0・5程度、4~5歳で1・0の指標が判別できるようになり、8~9歳くらいで大人と同じ両眼視機能を含む視機能が完成する。