6歳以降は治療が困難 幼児の弱視を早期発見できる検査機器
「それまでに目の病気や、強い遠視や乱視、斜視などがあると視力の正常な発達が妨げられて、その後治療を行っても思うような効果を得ることは難しいといわれています。子供の低視力には『未熟児網膜症』などのような器質的な障害や病気によるものと、『遠視』や『乱視』が原因となって視機能の発達が途中で止まる場合の2種類があります。多いのは後者で、何らかの原因でピントの合った鮮明な像が網膜に映されないままでいることで、細かいものを見るための脳や神経の働きが十分に成長せず、視機能の発達が途中で止まってしまうのです」
その治療は簡単で、6歳くらいまでに眼鏡をかけて網膜にピントの合った鮮明な画像を映すことで最大矯正視力が向上することが期待できる。
「ただし、片方の目だけが特に悪い場合は、健康な目をアイパッチで隠すなどして、悪い方の目を強制的に使わせることで発達を促す方法を用います。斜視の場合はプリズム眼鏡なども使いますが、程度が強いときは手術をするケースもあります」
日本では母子保健法に基づく3歳児眼科健診が市町村で行われていて2016年度は95・8%と高い実施率を誇る。ところが、この検査をすり抜けて3年後の小学校の就学時健診で見つかる弱視は少なくない。3歳児眼科健診が視力検査中心で行われているからだ。