夜泣きに追い詰められた母親が…乳幼児に睡眠薬投与の是非
実際、複数の医師に聞いたところ、依存性のない睡眠導入剤などを出すケースはあるという。
東日本大震災直後に不安・不眠・夜泣きを訴える子供が増えたとき、乳児から使える処方として「ペリアクチン」「アタラックスP」「ウインタミン」などが使われたケースがあった。これは特殊例だが、いまはあくまでも医師が慎重に判断し、赤ちゃんの体重に合わせた薬の量を厳格に調べることで初めて処方される。ただし、生後28日までの新生児には禁忌の薬もある。素人が勝手に判断しては絶対にいけない。
実際、昨年3月に、当時21歳の若い母親が、生後17日の長男に睡眠導入剤や抗うつ薬を勝手に飲ませて意識障害に陥らせたとして逮捕された事件もあった。
ちなみに乳幼児に眠くなる薬を飲ませたところで、すぐに寝てくれるわけではない。頭がボーッとしたりふらついたりするうえに眠りから目覚めたとき、不快感のため、ぐずりが激しくなる場合もあるという。
「当院にも年に数回問い合わせがありますが、原則として処方しません」