若い頃から怒りっぽい人、威張る人ほど認知症の進行が速い
自分の周りの人に照らし合わせて考えてみればいい。学校の先輩、定年退職した上司、親戚でもいい。怒りっぽい人、威張る人との関係は、いつの間にか疎遠になってしまうはずだ。そんなふうに周りから敬遠される人間は、認知症の早期発症のリスクが高まると言っても過言ではない。
だから、あなたの親が認知症と診断されたら、まずは家での楽しい会話、知人との快適な交流を減らさず、機嫌よく生きてもらうことを心掛けるべきだ。コミュニケーション機会の減少は、認知症を進行させるのである。
■よく笑いコミュニケーションを楽しむことが大切
以前にもこのコラムで紹介したが、認知症研究の第一人者で、自らの認知症発症を公表した長谷川和夫氏は、漫画家の東海林さだお氏との雑誌対談の中でこう述べている。
「人と話をするということは、ものすごく高度な能力を使います。相手の言うことを理解し、それに返事をする。これを繰り返すことは、とてもいい訓練になりますよ」(「オール読物」2019年11月号)
さらに、認知症の人への接し方についてこう続けている。