痛みは胸の左側に起こらない…心筋梗塞で手遅れになる勘違い
早く病院に着いていれば助かったかもしれないのに、そのチャンスを逃してしまうのは「残念」の一言では済ませられない。どういう時に救急車を呼ぶべきか?
心臓は左にあるという思い込みから、心筋梗塞の痛みは胸の左側に起こると考えている人がいるが、違う。胸の真ん中に起こる鈍い痛みこそが、心筋梗塞の典型的な症状だ。
「指で『ここ』とさせるような狭い範囲の痛みではなく、どちらかというと圧迫感、絞扼感です。みぞおちが痛いと感じる人もいるかもしれません。放散痛といって、肩、首、歯など心筋梗塞とは思えぬ場所に痛みが出ることもあります。いずれにしろ、痛みが持続し、冷や汗が出てくるようなら、痛みの程度は強くなくても、救急車を呼んでください」
高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、家族に心筋梗塞の経験者がいるなど、心筋梗塞のリスクファクターを持っている人はなおさらだ。
「過去に心筋梗塞を起こしたことがある人は要注意です。再発リスクが高く、院内死亡率も高くなります。1度目の発作の院内死亡率が5%ほどに対し、再発では10~20%まで上がるのです」