重病説まで流れて…たかまつななさんが語る虫垂炎性腹膜炎
病名が確定しない間は重病説が流れたりしましたけど、当の私はネットで1日3~4本、映画や地方ドラマを見る毎日。入院が長くなると、入院経験のある先輩が連絡をくださったり、「これ面白いよ」と映画リストを送ってくれる方もいて、とてもうれしかった。
■仕事と命を天秤にかけたら、やっぱり命
人生で初めてといっていいくらいゆっくりした時間の中で、自分の価値観を考えられた時期でもありました。それまでは、睡眠時間はいつも3~4時間でスキマ時間でも仕事をするくらいでしたから、病院で何もしない一日を過ごして夜10時に消灯されてもまったく眠れないんですよね。
感じたことは、自分がいなくても会社や世界は回っているという疎外感……社会から断絶されたような寂しさでした。でも同時に「ちょっと足を止めてもいいんだな」と、今まで人にあれこれ任せられなかった自分を振り返りました。
そして、弱い人の気持ちがわかるようになったのも人生経験として大きかったかもしれません。