ポップコーンの意外な健康効果 注目は豊富な食物繊維量
「ポップコーンと言えば若い方のスナックというイメージがあったんですが、機能を調べるうちに面白いことが分かったんです」
こう話すのは、千葉大学大学院教授で日本食物繊維学会理事の江頭祐嘉合(えがしら・ゆかり)氏。トウモロコシを皮ごとすべて使って作るポップコーンは、食物繊維が非常に豊富なのだという。
「ポップコーンの食物繊維の含有量は、100グラム中9.3グラム。ゆでたサツマイモは約3.5グラム、レタスは1.1グラムなので、ポップコーンがいかに多くの食物繊維を含んでいるかが分かります」
食物繊維はよく知られる通り、便秘対策に役立つ。食物繊維は体内でのブドウ糖の吸収を遅らせて血糖値の急激な上昇を抑制するのに加え、朝食で食物繊維豊富な食事を取ると、次の食事(昼食)後の血糖値上昇を抑制するセカンドミール効果もある。高脂血症などほかの生活習慣病対策にも食物繊維が威力を発揮する。
食物繊維の摂取は心筋梗塞死亡率とも関係していて、積極的に摂取することで死亡率が下がる。別の信頼できるコホート研究では、食物繊維の摂取で冠状動脈性心疾患発症リスクが26%低下したという結果が出た。