著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

乳がん<3>「術前補助薬物療法」は抗がん剤の組合せで3~6カ月間

公開日: 更新日:

 乳がんと診断されても、いきなり手術になることは、ほとんどありません。まずは「術前補助薬物療法」が始まります。薬で腫瘍を小さくできれば、再発リスクが下がるからです。また全切除が必要とされていた患者でも、部分切除が可能になることがあります。

 ガイドラインの初版(2004年)の時点では「手術可能な早期乳癌」(一般的にステージⅠないしⅡAまで)に対してのみ「乳房温存率を向上させる」効果があるので”弱く推奨する”とされていました。使用するのは「アンスラサイクリン系薬剤とタキサン系薬剤」(いずれも抗がん剤)で、ガイドラインには期間は明記されていませんでしたが、通常は3~6カ月でした。

 解説によれば、この治療で2~3割の患者さんが、完全奏効(画像などに腫瘍が写らないほど縮小した状態)を期待できるとのこと。ただし薬を止めれば徐々に復活してくるので、完治したのではありません。手術は必要です。

 現在(2018年版および追補版)では、術前薬物療法の対象は「手術可能な浸潤性乳がん」(一般的にステージⅢまで)に拡大されています。また抗がん剤だけでなく、ホルモン療法やHER2阻害剤も使えます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 3

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  4. 4

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  5. 5

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  1. 6

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  2. 7

    伸び悩む巨人若手の尻に火をつける“劇薬”の効能…秋広優人は「停滞」、浅野翔吾は「元気なし」

  3. 8

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  4. 9

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  5. 10

    下半身醜聞の川﨑春花に新展開! 突然の復帰発表に《メジャー予選会出場への打算》と痛烈パンチ