新型コロナウイルスの“親” SARSやMERSって何?改めて知る

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地域封鎖と感染者隔離で成果

 SARS(重症急性呼吸器症候群)は2002年11月、最初に肺炎患者として報告された。その後、32の地域や国へ感染者が拡大。最終的に774人の死者が出た。MERS(中東呼吸器症候群)は2012年に初めて確認され、アラブ首長国連邦、オマーン、サウジアラビアなどの中東や欧州、アフリカなどで流行した。どちらも「コロナウイルス」が原因だ。どのように終息したのか?

 北品川藤クリニックの石原藤樹院長が言う。

「2つとも感染地域の封鎖や感染者の隔離など封じ込め策の効果があって終息しました。具体的には、患者を診た医療関係者や家族、立ち寄り先の人、同級生、先生、同じ交通機関を利用した人などを対象として2週間の隔離を実施しました。このときの成功体験が今回の隔離のモデルになっています。しかし、こうした封じ込めが成功するのは病原体がそれほど広がっていない、流行の初期段階です。いまのように病原体が多くの国に広がり、感染が拡大すると、封じ込めでは感染を阻止できず、せいぜい拡大のスピードを抑えることしかできなくなります。それでも、ピーク時の山の高さを抑えることで、感染者が病院に殺到して医療が崩壊する事態を防ぐ効果は期待できるでしょう」

【連載】20世紀以降のパンデミック史

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